「JAPAN COLORベタパッチ色見本」はカラーコピー、カラープリンター、カラープルーフ等のメーカーで研究開発や製品の品質管理等に広く活用され、定期的に新しいものと交換して使用しているメーカーもある。「JAPAN COLOR色再現印刷2001」はデジタルカラープルーフのCMSの基本データとして、また印刷物生産工程の色の品質管理指標として、印刷・製版会社やカラープルーフ等の関連機材メーカーが活用している。
具体例としては、図1に示すようなCTP/CIP4によるワークフローへの利用である。CTPを導入する時、最大のネックといわれているのが色校正の問題である。DTPの時代になってカラーマッチングとかCMSという言葉が業界用語となったが、校正刷りと本機印刷との色を合わせることが印刷におけるカラーマッチングの基本である。
この問題を解決する一つのツールとして利用されるのが「ジャパンカラー」である。CTPで刷版を出力し、CIP4データをCIP4コンバータ装置(PPCサーバII)により印刷機で扱えるデータに変換する。そのデータを印刷機集中制御装置(IPCII)で受け取り、インキ供給量をプリセットして、ジャパンカラー基準で印刷する。印刷の目標は色校正ではなく、あくまでもジャパンカラー基準である。例えば、印刷物のくわえ尻にカラーバーを印刷しておき、CIP4データでプリセットしたインキ供給量で印刷を行う。刷り出し時の印刷物を色調管理装置(MCCSII)で測定し、ジャパンカラーの基準との色差を調べる。これが基準内に入っていればOKシートと見なし、本刷りとなる。CTPと自動刷版交換装置で一発見当、CTPとCIP4の組み合わせで素早い立ち上がりを実現する。こうしたワークフローで仕事をすると、色合わせの善し悪しはカラーバーの測色値チェックで判断されることになり、絵柄での確認は、汚れやピンホールがないかを調べるだけとなる。このために、ドットゲイン、トラッピング等の数値管理が非常に重要となってくる。印刷機の状態を常に一定に保つよう環境の整備や印刷機のメンテナンスを充分に行い、標準状態で印刷した特性(ICCプロファイル)をMCCSIIで作成して、プリプレスシステムにフィードバックする。そして、CMSにより製版条件を設定し、標準印刷に合わせた刷版をCTPから出力する。また、同様にCMSによる印刷シミュレーション機能を利用して校正刷りを出力する。これにより、ダイレクトデジタルカラープルーフ(DDCP)のような異なるデバイスによって校正刷りが出力されても、本機印刷とのカラーマッチングが保証されることとなる。

現在、日本印刷学会標準化委員会では、「JAPAN COLOR色再現印刷2001」をもとに、日本市場に合った測色値とドットゲイン値の見直しを図るべく、それらの数値について改定案を検討し、TC130国内委員会に提案する予定である。それを受けたTC130国内委員会は、ISO/TC130の国際会議にISO12647│2の改定を提案する。
また、オフセット枚葉印刷だけではなく、新聞印刷、雑誌印刷など輪転印刷の分野での日本の標準色を決定し、ISO規格に反映させていく作業が進んでいる。TC130国内委員会と日本印刷学会が発起人となり発足した「新聞用ジャパンカラー検討委員会」の作業は順調に進んでおり、今年の2月に委員会で基準値を決定し、印刷物を製作した。さらに、日本雑誌協会と日本雑誌広告協会は、雑誌広告のCMSを推進すべく、雑誌広告の基準カラー(JMPAカラー)の制定に取り組んでいる。米国の色基準である「SWOP」の制定によって、雑誌広告の色のばらつきが少なくなり、さらに広告原稿の入稿締め切り日を雑誌の発売日に近づけることが可能となったことで、雑誌広告の媒体価値が増し、雑誌広告費が急増したと言われており、わが国でも輪転印刷のCMSが急速に進む可能性も秘めている。